ろくろでひいたピースを組み合わせた陶器オブジェです。ある日とても美しく抽象的な歌声を聴き、それがいつまでも自分の中で繰り返し反響し続けた後、何かがごとりと動きました。それが何なのか見つけたくて制作しているシリーズの一点です。ゴトリとした出来事は壺の中。まず自分と壺を同化して、その空洞をイメージしてみます。その空洞は静かに外の音を待ち、何かが聞こえてくるとそれを飲み込み、時間をかけて咀嚼し、ゆっくりと吐き出す。けれどもそんな大それた事をしているなどとは、誰も気が付かないように佇んでいるだけです。そのままオブジェとして、または呼応する草花を探して楽しんでもらえたら嬉しいです。