"コンセプト：「愛」という作品では、壱～伍の作品で人間の精神状態を５つの段階で表現しました。これは「愛」の２つ目の作品です。精神を容器にたとえました。蛇口は周りの環境からの愛情の注ぎ口です。精神が健康であれば他者や、環境からの愛情を受け止め、満たされることができます。しかし、精神が何らかの原因で傷ついたり壊れた場合には、愛情が漏れ出すなどして満たされることができません。そのような場合、自分の精神をどうにか埋めようと多くの愛情を求めて苦しみ続けます。この作品ではその様に、自分で選んだわけではない、不幸な事情を持った若者の実例を元に制作しました。国際問題、政治問題、テクノロジー、新型コロナウイルスなどの、日々ニュースで報道されるような誰もが知りうる話題には人の注目が集まりますが、小さな家庭や個人という単位の問題はあまり注目もされないし、取り上げるには問題が多様すぎるのかもしれません。あまり光に当たることはないけれと、その小さな家庭、個人という単位が無数に集まって形成されているのが社会です。多くの若者のアンバランスな生き方を間近に見てきた経験から、もっと小さな単位の深刻な問題にも注目が集まるべきではないかという問題提起から私はこの作品を制作しました。愛 弐（鍋）
用量が小さいですがまだ愛情を溜めることができます。素材：陶器
技法：手びねり（紐づくり）1220度 酸化焼成
サイズ：鍋サイズ W285×D185×H110(mm)
蛇口サイズW140×D110×H80(mm)
※全体のサイズは展示場所によって変わります。システム上1×1×1（㎝）と表記しています。
