本来の食べるという行為がデジタルの中で「誰かが食べている行為」によって完結されていく違和感をテーマにしています。この作品のモチーフにはTroliというお菓子のパッケージを使用しています。ドイツのグミのブランドですが、さまざまな形のグミを販売しており欧州だけでなくアジア圏でも広く紹介されています。特にInstagramなどのSNSで見た目のインパクトやいわゆるインスタ映えといった見た目の面白さを取り上げられています。ここ数年でSNSが普及したことにより商品の消費のされ方が大きく変わっているように感じます。例えばこのグミもそうですが購入して自身が食べることで消費するのではなく、映像として誰かが食べている姿を鑑賞し情報として消費されています。この作品はアイロンビーズという子供のおもちゃを一つづつ並べることで画像のイメージを立体として作成しています。視覚的なイメージにはデジタルバグといったモニターの中でしか起こり得ない出来事が起きていますが、ビーズによって物質として立体化されることでデジタルと現実の世界が混ざり合い、私たちのいるべき場所というのがどこにあるのかを再確認させる作品です。