Empty Box」シリーズは、「空っぽ」と「いっぱい」の対比をテーマにしています。ここでは、ヴィンテージの木箱の内面に有名な文学作品のテキストを彫り込んでいます。例えば、かつてレミントンの弾薬を輸送していた箱には、1400年前の孫子の兵法が刻まれています。また、箱の外装にはオリジナルの広告が施され、見る人を惹きつけます。
一見すると、何も入っていないように見える箱。しかし、よく見ると、箱の内側にはびっしりと文字が書かれている。そして、その文字を読み解き、容器との関連性を見出そうとする好奇心が生まれます。Empty Boxのシンプルなプレゼンテーションは、鑑賞者が作品のレイヤーの間を旅し、視覚的、概念的な手がかりを結びつけ、作品全体を理解することを試みているのです。