私は小さな頃から、何かを作り続けてきた。画材、粘土、毛糸、布、針金など、素材も手法もまちまちだったが、自分のアイデアから確実に形が出来上がっていくことに、安らぎ、どころかカタルシスを得ていたように思う。私にとって作ることは、排泄のようにごく自然で、快楽を伴うことだ。また、自然を求め続けてもきた。東京の自然の少ない地域に暮らしながらも、自然に関するテレビ番組を家族で観て、父が採集した様々な生き物、祖父が育てる鉢植え、母が行ける花を、長時間眺めては恍惚としていた。思春期には多種多様な動植物の魅力を、家族以外の誰かと共有したいと願っていた。この二つが、18歳の時に祖父から一眼レフを譲り受けたことで結びつき、写真で表現するという手段を得た。それ以来、他人からの共感が得られる、快楽を伴う排泄行為の虜になり、今後一生抜け出すことができないと確信している。インクジェットプリント