私にとって、過去は否定の対象でしかなかった。幼い頃家庭環境があまり良い物ではなく、それを免罪符に非行に走った。あの日違う選択をしていればと幾度となく後悔し、存在しない物に手を伸ばしていました。暗中模索の日々の中、いつしか過去を憎む事がなくなりました。あの日あの選択をしたから今があると、生きる足枷でしかなかった過去は明日への道へと変貌したのです。「過去があるから今がある」それに気がつくのに長い年月を要しました。私はようやく前を向ける様になった。過去は良くも悪くも全ての人に付き纏います。それら全ては、その人を形成するための物です。それを作品として昇華したく、今回展示させて頂く作品を制作致しました。私の作品を見て誰かの何かのきっかけになり、良い方向へ進んでくれればと思います。