「愛し合う 2 人」カップルをテーマに制作活動をしてきた私に大きな変化を及 ぼしたのは、晴太郎が生まれて来たことが一つの理由かも知れない。「愛し合う」 から「愛」への変化であり、全てを包み込み包容する「愛」である。 ベクトルが内から外へ向かい始めていることだけは確かだ。2022 年 1 月に晴太郎が誕生した。コロナ感染拡大の時期と重なっていたため私 は出産に立ち会うことができず、もどかしさと無力感を感じていた。子が宿り、 時が経つにつれ変化していく洋子の姿。そして一人の人間からもう一人の生命 の誕生。父親にとって出産は神秘以外なにものでもない。出産から数日経ち、病 院の外からガラス越しに洋子と晴太郎に対面することができた。 その姿は神々しかった。私はその時の思いを形にするため、母子の光の像で沖縄 や東京の風景を包み込んだ。その姿はまるで人間と森羅万象が溶け合った私に とっての新たな「聖母マリア」像の誕生だった。そして 3 人家族の誕生だった。 (Ayarl-アヤーシリーズ: Ayarl とは沖縄ことばで母の意味 )