GENOME

コンセプト

子どもの頃、絵本が好きだった美島は、写真を絵本の挿絵のような存在と考え、主に少女モデルを撮影した作品を作っています。美島にとって作品は現実の世界の絵本であり、美島自身と全ての女性の心の中に存在する〝美しい少女″のために作っているといいます。作者はまず、１枚の写真の完成形をイメージしてスケッチを描き、スケッチをもとに小道具やセットを実際に制作し、撮影します。非現実的なモチーフの組み合わせがCGや合成写真のような印象を与えますが、すべて実体のある人物や物体をレンズ越しに捉えたもので、
この「現実」と「想像」を融合する制作方法が美島の大きな特徴と言えるでしょう。どんなに不条理な現実の出来事も「美しい絵」として
表すことにこだわり、想像上の〝美しい少女″を作品に登場させるのです。少女が手に持っているものや背景にセットされた物とを合わせてよく見ると、
現代社会における人間の扱われ方や人間の感情など現実の世界を風刺的に描きながらも、
少女が生きるために必要なメッセージを伝えていることが分かります。