本作を含めた「Hawaii」シリーズは、3年間にわたって制作され、2007年に完成した作品群である。森山は、通常のハワイの観光的なイメージとは異なる視点で、ハワイの風景や日常生活を捉え、そこに潜む孤独感やコントラストを浮き彫りにしている。彼は何度もハワイを訪れ、その独自の雰囲気と人々の生活に迫ることで、独特の写真世界を構築した。本シリーズは、東京写真美術館などで展示され、また、ナズラリプレスから出版された写真集にも収録されている。写真集には約300枚の作品が含まれており、森山らしい高コントラストの白黒写真が特徴で、現実と幻想の境界を曖昧にする視覚表現が際立っている。