写真家のAI TERADAと申します。この写真は、先日2022年9月に澁谷藝術ギャラリーにて開催された集合展「π」に向け撮り下ろした作品「xiaolongπ」(小籠ぱい)です。(現サイズ210mm×297mm・ピクトリコ半光沢紙への印刷)
π(ぱい)は"乳房"がモチーフテーマでしたので、それに対する自身の持つイメージを落とし込んでいます。私にとって"乳房"とは、現実を忘れさせ夢の世界へ誘う幻想的・ドリーミーなもので、また赤子を育てるものでもある神聖な部位です。柔らかい手触り、丸み。帰る場所であり、優しく包み込むものです。そのニュアンスを、全体的に乳白スキントーンにすることで表しました。陶器のような、もしくはSFを思わせるほど滑らかな肌も、今回の非現実感の演出のためのこだわりで、ヘアメイクアーティストにより仕上げられています。(photoshopによる加工はほぼ施しておりません)
自身はかねてより「めす展」という企画にて女性と食べ物(特に果実)の親和性を描いたヌード作品を撮り進めており、本作もその流れを組んでいます。自身が中華料理屋さんで見た明太子味の小籠包から着想を得ています(笑)美しいだけじゃない、ちょっとしたユーモアを大事にしています。自身は女性を被写体にお迎えすることが本当に好きです。綺麗事ばかりではないこの世界で、自身の思い描く世界観をアウトプットし撮影するその瞬間、目の前の女性は女神のように感じ、涙を流しながら撮影しております。自身にとってのサンクチュアリです。その作品への愛情がご覧いただく方にも届くことを願っております。