写真プリントを脱色し、特別に配合したアクリルメディウムと色鉛筆で仕上げています。作品の表面はマット。木製パネル。三陸復興国立公園の北山崎の駐車場に着いたのは真夜中過ぎだった。夕方から降り出した雨が、
華奢な車のボディを執拗に叩き、
恐怖を感じる車中泊となった。翌朝、窓の外は深い霧に包まれていた。撮影を諦めていたら、突然、水平線上に光が現れた。急いで車から降り、カメラに装着していた望遠レンズでシャッターを切る。このような奇跡的な瞬間はほんの一瞬で終わってしまう。広角レンズに変えようとした時、
太陽は深い霧の中に隠れ、
目の前の風景は再び沈黙の世界に戻ってしまった。