蜜花
「艶」という名の着ぐるみを着て
白と黒の間を行き交う一輪花
自らの肢体に別の匂いを付け加え
偽りの世界に咲く
他人によって色づけされた花びら
小さじ一杯の幸せ
そして 途方もない 孤独
わずかな光だけが届く深い森
あたれ あたるな
あたるな あたれ
風に揺れる霧がかった二面性
その隙間に今日も咲く
ただ ひっそりと しなやかに
*テツジ山下の作品は、一見コンピュータ・グラフィックスや絵画のように見えますが、小さなカラーペーパーのパーツをいくつも貼り重ねて作られています。それぞれの作品には作家による詩が寄せられており、
絵と詩を合わせて一つの作品となっています。