番町皿屋敷 / お菊 Bancho Sarayashiki “Okiku
岡本綺堂脚本版を元に歌舞伎の有名な怪談「番町皿屋敷」のヒロインお菊を絹地に描いた作品です。大正3年(1914)に初演されたこの作品は、井戸の中から女の幽霊が夜な夜な現れる陰惨な怪談話とは異なり現代同様の男女の恋の行き違いを描きます。江戸末期、旗本の若き当主青山播磨に他の武家女性との結婚の噂が立ち、不安に駆られた女中のお菊は恋人である播磨の心を試すために家宝の皿を割ってしまいます。 一度は許したものの、自分の真実の愛を疑い試したことを知って激高した男は、お菊を庭に引きずり出して刀を振りかざし、女は愛を確信した喜びに開き直って手を合わせ、男をまっすぐに見て殺してくれと懇願する。歌舞伎はまるで「生贄の儀式」のように観客を興奮させる舞台劇だと思います。・作品サイズ(マット窓):39.8 ×49cm
・額サイズ(外寸):46.2×55.4cm
・技法:絹に描いた日本画