私はフランスのコットンペーパーにプロ用の水彩絵具で絵を描いています。水彩画はその性質上、動きのある生きた素材であり、コントロールと完全な自由のバランスを教えてくれます。ある時は絵の具を支える必要があると感じ、ある時は絵の具の流れに身を任せます。そうして初めてプロセスを楽しむことができ、絵が生き生きとしてくるのです。
この絵は、質感のある錆びた艤装品と、塩気を帯びたターコイズブルーのロープが絡み合っている様子を描いています。この物語は、港町ペニシェ(ポルトガル)で見たものです。まぶしい太陽の光に照らされた錆びて荒れたリングと、ロープの明るい色の組み合わせが気に入ったのです。ドローイングの対象としてはあまり美しくないと思われるが、水彩では明るくジューシーで軽やかな印象になったのが良かった。