イラストレーションボードに極細の万年筆と顔料インクで描画しています。画面の濃淡はインクの擦れや滲み、筆圧などで線の太さが変わり無心で何もイメージしないよう描き続けることで作者の認知を超えた「偶然」に発現します。自然の造形にはミクロからマクロなものまで共通点であるフラクタル構造が存在します。偶然+無意識で微細なパーツを描きこんでいくと、自然界に存在する数学的に定義できないフラクタル要素を含んだモノへと収束していきます。手書きによる必然の積層が限りなく必然が希薄な状態を作ります。アクション性の描画、自動筆記などの「偶然」とは別な視点から疑似的な偶然の発現を模索しています。画面の濃淡は様々な環境に起因する作者の認知を超えた「偶然」に発現します。