この90x80cmの抽象的なキャンバスは、2019年にオーストラリアで発生した壊滅的な山火事を知ったときに経験した深い感情を具現化したものだ。この作品の制作に着手したとき、オーストラリア全体が炎と煙に包まれているイメージが私の内なる目の前に現れた。この大陸の平和で生きているものすべてが脅かされているように私には思えた。私にできることは、この感情の高まりを筆と絵の具で表現することだけだった。 この絵の主な色は赤で、自然やその行く手にあるものすべてを食い尽くす地獄のような炎の炎を象徴している。黒と黄色の濃淡によって、煙と灰が空を埋め尽くし、この出来事の恐ろしさを映し出している。この作品には深い意味が込められており、強大な自然の力を前にした私たちの弱さを思い起こさせる。コレクターにとっては、内面的な深い共感を呼び起こし、生態系への疑問や私たちの世界のもろさについて思索を促すことのできるユニークな芸術作品となる。 専門的な美術史家の視点から見ると、この絵は見る者の心に響く強い主張をしている。火災の破壊力だけでなく、逆境を乗り越えようとする人間の志も描いている。細部へのこだわりと感情を伝える巧みさが、この作品を現代美術のコレクションとして価値あるものにしている。私は、この絵画がコレクションに深い意義を吹き込み、環境保全における私たちの役割について重要な対話を始めると信じている。