この風景は、グルジアのトゥシェティにある「死の道路」を横断する旅からインスピレーションを得た。この道は世界で最も危険な道のひとつとされているが、その理由がわかった。正直なところ、私はこのような場所の危険性を甘く見ていたので、5時間かけて蛇行する険しい道を登っている間、周囲の景色への賞賛と恐怖が入り混じった気持ちになった。
このような場所では、自然の力強さ、威厳、残忍さのすべてを感じることができるだろう。私は風景の美しさと変化に衝撃を受けると同時に、信じられないような自然現象を背景にした人間の存在のはかなさを感じた。
冬のオマロ村には、わずか数家族が暮らしているだけだ。そして正直なところ、文明世界から来た人間には、彼らがどのように生活しているのかを理解するのは難しい。私はそこで、彼らを研究するためにやってきた若い哲学者に出会った。彼が何を研究しているのか、私にはすぐにわかった。これほどまでに人々への関心、相互扶助、そして優しさを見たことがなかったからだ。このような状況で生き残るには、おそらく他に方法はなかっただろうし、私たちはそこにたどり着けなかっただろう。車が故障し、私たちが出会ったすべての人々が、私たちが困難に対処し、この道を乗り越えるのを助けてくれたのだから。