物心ついた頃に友達との距離がわからなくなった。どうやって友達になったのか自分へ説明ができないことに気付いたのだ。未だ他者との繋がり方がわからずどぎまぎする。高校生の時にsnsに出会った。どこの誰かもわからないネット上での関係は初めこそ恐怖だったが次第に安心へと変わっていった。時として知らない人間の方が親身になって悩みに耳を傾けてくれる。教会で懺悔している感覚に近いのかもしれない。いや、飲み屋で知らない人に愚痴を吐露する感覚の方が近い。現実でのおっかなびっくりな人間関係より、顔も声も性別も年齢も知らない方がより素直に自身をさらけ出せたようで、他者の魂に触れたようでもあった。この感覚を持っているのはきっと自分だけではないだろう。年齢、容姿などの細かな情報を取り除くことでその者の真髄を形にできないか模索する。