たまたまだ。 道ばたにキノコが生えていた。 色鮮やかなキノコだ。 思わず近寄って匂いを嗅いでみた。ほのかな香りが何とも言えず、埃のようだ。 食用か毒キノコかわからないキノコの形は、なぜかわからない。物語の中のお菓子のようだ。 つやつやとした肉厚の形は、どうにかして食べられないものかと思わせる。さて、どう料理すればいいのか。 スープに入れてもいいし、バターとニンニクのみじん切りと一緒に炒めてもいい。 仕上げに醤油をかけてもいい。 ただ、ほのかな香りが食欲をそそらない。 埃っぽい部屋の片隅にあるものを食べているような感じだ。食用か毒かわからないキノコは、食べないほうがいい。