この絵には2作目が付属しています(2作合わせて4400ユーロ)。「自然の産物には、偶然に起こる現象にも魅力があることに注目したい。たとえば、焼きあがったパンには、パン職人が意図したわけではないにもかかわらず、ある種の快楽を呼び起こすような割れ目や裂け目ができることがあります。イチジクも熟れすぎると割れるし、熟れすぎたオリーブも、実が腐りかけているのが、何とも言えない愛らしさを醸し出しています。垂れ下がったトウモロコシの穂、獅子の額の皺、猪の喉から滴る泡、その他多くのものは、それ自体、すべての美とはかけ離れているが、物の本質に属するものであるから、その装飾に貢献し、我々に喜びを与えてくれるのである。このように、万人にアピールするものではなく、自然やその営みに心を開いた人にしかアピールできないものが、まだまだたくさんあるのです」 マルクス・アウレリウス「自省録」第3巻