猿田彦」は、歌川広重の浮世絵「東海道五十三次 沼津のたそがれ」をモチーフにしています。この絵では、二人の旅人が道を歩いていますが、一人は道祖神である猿田彦の大きな頭や面を持っています。猿田彦の姿を子供のように背負い、人の手を借りなければ旅を終えられない身体にしたのは、広重のユーモアだったのかもしれない。あるいは、この神は年老いて、人間の世界での力が衰えているのかもしれない。このようにして、彼は人間の欲望に見られるような屈辱を受けるのです。町から町へと移動しながら、わずかなコインで娯楽や贖罪のために掲げられるイコン。19世紀から20世紀のアメリカでは、旅をするミニストリーが、十字架にかけられた神の子と、その物語を記した本を携えて、この旅を行っていました。本を捨てて、自分が真の救済者であることを主張する放浪の救世主。偶像崇拝を糾弾しながら、自らも偶像となる。神の頭をかぶって道を進む。