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ゲスト
絵画 (油絵)
Original Artwork
2020
直筆・キャンバス背面
額装なし
一つの事象の中で人々がそれぞれの意見を主張することは、羅生門効果で対立が起こる現象を指し、真実は藪の中といった言葉と同義である。現代の情報化社会では、スマートフォンで得た情報や人が、SNSで意見を発信しています。拡散した意見はその時の熱を帯び、炎上し、容易に真実を覆い隠すことになる。この絵は、そんなSNSの混沌を表現するために、集めたパーツをコラージュして作ったものです。
Japan
私の芸術表現は、映画監督を目指し始めた中学生時代にルーツを持ちます。当時実家はレンタルビデオ店を営んでおり、映画見放題の環境に育ちました。やがて時代はハイビジョンとなりサブスクリプション方式へと移り変わりますが、私の中にある原体験はノイズだらけの画質の悪いVHSテープにあります。物語の視聴体験がノイズでかき乱されることは、ふと現実に引き戻される瞬間。これがあったからこそ、まるで本にしおりを挟んで思いに耽るような、その作品に対してより深い考察を促す体験ができたと考えています。ノイズやダスト(汚し)による客観視効果。これを、絵画で再現することに挑戦しています。
絵画に刻み込む物語にはいわゆるストーリーとしてのフィクションでなく、アートマーケットへの批判、反戦、環境破壊などの社会的課題から、SNSでの自己表現の揶揄など、常に同時代性ある話題を反映します。これにより絵画が社会的接点を持ち、語りかけ、その事象について深く考察を促すといった体験を観賞者に与えようというものです。
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