この作品は、イギリス・ロンドンのナローボートから影響を受けています。ナローボートとは、狭い運河に合わせて作られた特徴的なデザインの船のことで、現代のナローボートは、休暇や週末の休暇、ツーリング、あるいは恒久的な住居やパートタイムの住居として利用されています。鵜飼由美さんは、ナローボートで暮らす人が増えているというニュースを見て、自分もナローボートで暮らしてみたいと漠然と考えていました。しかし、現実には実現できないので、自分がナローボートに乗っているかのような生活を25の作品で表現することにし、そのうちの1つがこの作品です。全25点の作品は「Seaside Life」シリーズと呼ばれ、他の作品と組み替えることで、違った視点から世界を見ることができます。タイトルは、制作時に見ていた映画の主人公の名前に由来しています。登場人物の「上田」は、他の作品の「山田」とは異なり、海の上でもリラックスした性格が見て取れるようになっています。作品の広がりを表現するために、裏打ちされたキャンバスに油絵を描いていますが、裏打ちされていることで、横からの視点も表現することができます。サインは側面に入っていますので、この作品のビジョンと迫力が失われることはありません。