文化によって、さまざまな色には異なる意味がある。例えば、赤は西洋では愛や危険を象徴するのに対し、アジアでは幸運を連想させる。もうひとつの例は、北米では幸福や楽観を連想させる黄色である。しかし、ラテンアメリカの多くの地域では、黄色は死や喪と結びついている。
文化的な解釈の違いが何であれ、芸術家は色を使って視覚的な面白さを作り出し、作品の構成バランスを確立する。確かに、色は見る者に感情を呼び起こしたり、雰囲気を作り出したりする。歴史的には、絵画の奥行きや量感、空間関係を伝えるためにも使われてきた。現代アートでは、型にはまらない色合いや色の組み合わせが、一般的に受け入れられていることや理解されていることの境界を押し広げるために使われている。 色というテーマについて考えてみると、スカイラーは、色彩をアーティストの手にとまる昆虫、カラー・バグに見立てている。アーティストはその繊細な生き物を壊さないように、親指と人差し指で注意深く挟む。色に対する注意深さが、突然、アーティストの手や周囲のあらゆるものの見た目を一変させる。
この変容のプロセスは、上質なマット紙にカラープリントで再現された、手にした昆虫の中心的なイメージによって表現されている。その紙の周囲は、キャンバス・ボードに描かれたアクリル絵の具とパステル油彩の色彩の乱舞で取り囲まれている。