feebeeが描く本シリーズ「Bitten from Within」は、人々や彼らを取り巻く無数の出来事を独特な世界観で表現している。首を噛む獣は、個人が他者や社会と関わる時に現れる。他者と関わることは充実した人生を送る上で重要な要素であるが、スマートフォンで簡単にアクセスできるソーシャルメディアにより、一人でいる時でも常にSNSに晒され、他者の存在を意識し、他者からどう見られているかを敏感に感じ取ってしまう。これは、個人が社会に影響を受け、また社会が個人によって形作られるという点で重要である。本作「Bitten from Within」を直訳すると「自分自身に噛みつかれる」という意味になる。獣は恐ろしい姿をしているが、それは首だけの切断された頭であり、噛みつかれても人を殺すことはできない。獣を除去するか、そのままにしておくかは個人の自由である。