Montage 18

コンセプト

過去から現代へと長く続く作品の中で、時代精神や文化の裏側に違った形で現れる共通性を知りたいと思いました。
時が経つにつれ、共通性の表現方法のような技法の類似性よりも、ベースに据えられた人間の欲望に注目するようになり、その意味で、過去から現在までの人間の本質的な欲望は、時空を超えても変わらないが、異なる文化に現れることを示す方法に関心を持ち、モンタージュのシリーズを始めました。これは、パラレル・セオリーの一断面をオーバーラップさせて見せている作品だと思います。

新しいものが無限に生み出され、変化が激しく、それに適応したり慣れたりする時間がない現代、過剰な情報や激しい競争の混沌、新しい文化を利用できない無力感、「無縁」が日常となる不毛な社会的雰囲気の中で、私たちは生きづらさを感じ、現実に満足できなくなっています。私の作品に表現されているBe@rbrickは、この敵対的な世界に現れたキッズルティズムという社会現象を、現代人の新しい娯楽や癒しの文化として定着させるための典型的なオブジェクトです。これらのキッズルト文化の素材は、現実の競争に遅れをとるかもしれないという強迫観念を持って生きている現代人が、現実を忘れてしばし休息するための娯楽文化であり、旧世代の固定化された価値観や息苦しい文化的単一性に嫌気がさしている大衆への熱狂的な逸脱の夢への道筋でもあります。
ある意味で、「モンタージュ」は私たちのもう一つの自画像なのです。

一連のモンタージュは、私たちに夢を与えてくれる幸せなポートレートでありたいと思います。