作品作りは、自分との向き合いだと思っています。受け入れたくない弱さに気付いたり、目を背けたり、乗り越えたり。絵はゴールを決めずに描き始めます。その時の感情のままに、感覚で色や質感を決めていきます。最初は中心部分の絵が全体に広がっている、なんとなくパッとしない、シンプルな絵でした。そのまま数ヶ月絵を寝かせて、再度絵に向き合った時には、整然とした角ばった線がぐるっと一周した絵になりました。“悪くはないけれどおもしろくもない”
どこかでスケベ心が出て、ウケを狙ったそれっぽい絵に寄っているんじゃないかと。そんな自分に嫌気が刺し、「つまんねぇ絵だな」と、盛った絵の具を潰したのがこの絵の始まりです。吹っ切れた後は、もうそれはそれは好き放題色を混ぜ、盛りまくりです。夢中で、どんどん楽しくなる様な色を混ぜ、ベタベタ載せる。没頭して描いたので、スイッチが入った後はどうやって描いたか記憶にありません。その時の心境、環境があったから生まれた再現不可能な絵です。自分の殻を破り、弾け出した純度の高い楽しさ、一つひとつが花びらとなった、「bursting flower」です。