春を体現する花として世界中で知られる日本の桜。「精神美」や「純潔」といった花言葉がある一方、桜に対してお花見をイメージしたお祭り事を想像する方も多いと思います。今回、印象強く描いたデフォルメしたサクラマークは砂調のメディウムを混ぜた白をダイナミックに使い、「記憶」や「時間」を表現し、また補色であるグリーンで草を描き、「命」や「有限」を表現しました。限りある命の中で、寂しく忘れられぬよう散り際に最も印象深く人々の記憶に残るその姿を「儚さ」という言葉と同時に、桜のもう一つの花言葉である「私を忘れないで」というメッセージを込め作りました。桜を記号として代用し「忘れないで」という想いを表現したアンニュイな感情に踊る作品です。