2010年制作。当時は叙情詩を残しています。
ー 描きたい世界があるなら 自分でその筆を執るんだ。
繰り返し変化する葉っぱ、色付く木々。
人間は先の先のその先が見たくて
いつしか寿命を50年から100年に延ばした。
彼らの世界のあの子は諦めて眠ってしまった。
あの子が連れて行かれるよ。
“誰か”が描いた白い手に。 ー
蝉は、その一生をかけてしがみついていた木々が秋に美しい紅葉を纏う生形を知りません。もし彼らに強い意志があり、彼らにとって描きたい「理想の世界」があったならば、紅葉を纏う事が出来る未来がかもしれないのに。 そんな哲学とも空想とも言えぬ混沌とした独自の思想を、当時はそのまま絵画表現にぶつけていました。2010年の8月に開催したNYのOUCHI GALLERYでの個展ではメインビジュアルとして打ち出しています。