この作品群では、私は花の多面的な描画に取り組んでいます。花はシンプルな描写の対象ですが、そのシンプルさゆえに、世界の美術史のあらゆる時代や「イズム」に対応することができます。
以前、私は抽象表現主義に取り組んでいたので、私の花の描き方と様式的な類似性はそこから流れてきたものです。そのような形は私にとって自然なものであり、私の世界観と重なるものです。荒々しい筆致と軽やかで透明感のある平面の組み合わせで、抽象性と現実性の尺度を絵画で試すことは、私にとって必要なことなのです。絵の反転もその一つで、背景の色調の違いや、花の色調や色の違いによって、一つの絵が変化していく様子を表現することもよくやっています。私の絵画のタイトルは、「ピンクの花」「黄色の花」とわかりやすいものにしていますが、感情的な意味づけを避けるため、すべての鑑賞者のためにオープンにしています。