「光のつぶ」
◆素材について
キャンバスにアクリル
◆作品や技法について
(ミズホドリは絵を描く時、具体的なことはほぼ何も決めずに描き始めます。思考を止めて、描くその瞬間瞬間の感覚を味わうようにしています。完成後に、作品から感じることを文章化してみたものを作品の一側面としてここに載せておきます。)
京都での展示会「ウエサクゲート展」に持っていく絵を描こうと思った。
「これを描こう!」と決めるわけではなく、展示会の前年に鞍馬山へ行ったときの「感覚」を体に込めた状態で描くことにした。
何が出てくるかを楽しみにしながら。
暑い夏、少し涼しくて心地よい林の中で、木洩れ日がきらきらと揺れている景色を思い出して、その時の心地良さに浸った。
すぐにキャンバス全体を埋めるような勢いのある線とまんなかに何か生きものが出てきたけど、そのあと続きを描く気持ちじゃなくなり、数日間手を付けずに部屋に置いておいた。
別な絵を描いたり、休んだり遊んだりして過ごしていたら、ふと別な作品に乗っている絵の具のつぶつぶが眼に入った。
絵のほんの一部分に、絵の具が柔らかいうちにいろんな色の絵の具の粒をぽっぽっぽっと載せたところがあって、これをもっとやりたい!とひらめいた。
自分の中では点描とは違うもので、「つぶ」と言いたかった。
つやがあって立体感のあるやわらかい粒が不規則に集まってくっついてる感じがいいなと思った。
一部融合しているけど混ざり過ぎず整った点にならないような粒。
そんな粒をたくさん乗せたくなって、数日手を付けていなかったこの絵にそれをやりたくなり、製作再開。
一気に気持ち良く粒が乗せられて行って、完成。
とてもエネルギッシュな、吸い込まれるような絵になった。
爽やかな風が吹き抜ける感覚もあるし、きらきら光ってる感じもする。
感じるままに、絵からエネルギーを受け取ってください。