浅い川で遊んでいて、向こう岸に走っていたら転んでしまった。川の中に頭から入ってしまうと、水の音と共に、先程までとは違う景色が急に現れる。世界が急に変わるものだから、心も慌ててしまう。大人になった今、そのような経験をした昔を懐かしく思う。経験を積むほどにミスは無くなり、平和な日常が繰り返されるからだ。この作品は、昔、川で遊んだ記憶や、プールで遊んだ記憶を表現しているのかもしれない。見る人によってその印象は違うだろう。抽象絵画を描いていると、意図せずに世界の一場面を切り取れることがある。絵を見て、その人がどう判断するのかは、その人の考えや経験によって変化する。この作品を作者が端的に説明するならば、川の中に落ちてしまった場面である。空は快晴で夏休みの雰囲気を感じるとともに、青春を思い出す絵である。ただし、抽象画なので、感じ方は人それぞれ。