この作品は額装されているが、ガラスはない。 紙に描かれたこの作品は、ファブリアーノ紙に糊付けされた2つの部分(アーチーズ紙)で構成されている。描かれた2つの部分の合計サイズは26X52cmで、ファブリアーノ紙のサイズは50X65cm。左の部分はインクで、右の部分はアクリル絵具とインクで描かれている。 北の大港(ドイツ、オランダ、ベルギー)の雰囲気が、パトリック・ピッチネッリにインスピレーションを与えている。彼は幼少期を両親と屋形船で過ごした。その船はスイスの会社のためにバーゼル港とロッテルダム港を結ぶライン川で物資を輸送していた。 港のインフラは壮大な幾何学的要素であり、ピッチネッリの構図を直接想起させる水の要素と対峙している。 藍色と群青色に墨を混ぜた色は、波止場や船体に沿った深く油っぽい海を想起させる。 メランコリックでノスタルジックな作品である。