豊かな都市生活の中で慌ただしく、懸命に生きる現代人。大都会ソウルに生まれた作家は、そんな都市生活をポジティブかつアクティブに捉えている。都市生活者の日常と変化を、シンプルに、明快に、ダイナミックに表現する。シンプルなフォルム、鮮やかな色彩、大らかな輪郭線などで平面作品に表現された、同年代の作家が見つめるこうした日常体験や社会風景は、作家自身の物語であり、目まぐるしく変化する現代社会を生きるこの時代のすべての人の自画像でもある。 絵の中では、秋の菊の花畑の小径を、ハイヒールを履いた女性が一人で歩いている。不安定だが震えるようなほっそりとした長い脚は、現代に生きる現代人の姿であり、ハイヒールの高さは彼女の誇りである。それは画家自身の絵に対する誇りのようだ。私は、現代を凛と生きる女性を応援する。