たったひとつの名言が、誰かの悲劇的な人生を変えるきっかけになったと言われています。視覚的なものに限らず、哲学的な思考に浸った芸術のあり方はないかと考えた。私たちは時間に流され、大切な命や存在の意味を見失っているのかもしれません。この作品は、欲しくもない光のように淡々と過ぎていく時間を抱え込み、自らの手で時間を調整するきっかけになるのではないでしょうか。つまり、瞑想にふけるために考えられた作品なのです。海(=世界)の中にぽつんとある灯台(=自分)を表現したこの作品は、どうせなら荒んだ世界を忘れて、内観と瞑想に浸れるような表現でありたい。