SPECTRUM PRACTICE 22.1.1

コンセプト

すべてを尊重するとはどういうことか。それは、秩序や大きさ、優劣にとらわれず、一人ひとりの居場所を見つけることです。それは、評価を散らす行為です。

等しくないものを等しく並べようとする果てしない努力が、その価値を高めます。この試みは、虚栄心にも好意にも似ていない感情を生み出します。
私たちが何度も試みているように、物は平等に並べられるのでしょうか？あるいは、そうすべきなのか。

菊地虹は、作品を通してこの問題に取り組んでいます。作品の中のモノを平面上の個体として捉え、相互に関係性を持たせています。そして、それらに相互関係を与える。しかし、それらを並べ、繋げていく過程で、どうしようもない、関係性のない個体が現れてくる。必然的な奇妙さの中で、絶え間なく動き続ける物体を、彼はただ無力に見守ることしかできない。

モノに等価な価値を見出す菊地の視点は、平面的で連続的なデザインを特徴とする日本の伝統的な絵画、建築、工芸品から着想を得ています。