私は普段、大気中に含まれる様々な物質(分子・花粉・荷電粒子など)を
モチーフに取り入れて「我々は見えるものと見えないものに囲まれて生活している」という事を
テーマにした作品を創っている。
なぜこのテーマにしたかというと、
幼少期~20代は喘息持ちであったために 発作が起きると
汚染された空気と澄み切った空気の違いを身体が敏感に感じ取っていたため
私にとって尤も身近に感じる事柄だったからである。
そして表現方法の由来は
幼少の頃にジオラマ模型や時代劇の小道具)を紙で作ったり
マジックや錯視(錯覚)にとても興味があったため、
「目の前で起こっている現象以外にも様々な仕掛けがあるのだ」ということを実感し、
現在の作風の着想を得た。
この作品はかなり手の込んだ手法で描かれており
まずキャンバスに下地を塗りヤスリ掛けをし、
その上にアクリル絵具で描き
ニスでコーティングする工程を3度ほど繰り返しています。
したがって、独特のツヤと味わい深い質感に仕上がっています。