これら縁日のお面を被った作品は、
シリーズとして何作品も作り続けているものです。それぞれそのお面らしい知人達の内的・外的イメージを
複数名分混ぜ合わせ、
各タイトルである氏名も複数の知人達の名前を
一度バラバラにして組み合わせたものです。お面を被っている人物だけでなく、
お面自体のデザインもその知人達のイメージに合わせて
既製品から少しアレンジしています。そうして出来上がった新たな人格によって、
混ざり合わされた知人達が立つスクールカーストの位置を
色濃く再現出来たら、
自分が実際に認知し生きてきたスクールカーストと、
鑑賞者が経験したスクールカーストとの違いを
改めて確認出来ると思い、
学童時代からコンプレックスを抱いているスクールカーストへの
認知の歪みの矯正の為にお面の作品制作を続けています。お面という顔を覆うモチーフは
自分にとっては大変安心感を覚えます。何故なら、周りの人達に対する自らの視線を隠しながらも、
透明のプラスチックのカバーや小さな穴から
その周りの人達を観察出来るからです。お面は半透明なシェルターのような存在で、
周りの世界から私を完全に遮断する事はない、
ほどよい薄さと柔らかさと透明度で私を匿ってくれます。