雪の記憶 シリーズ
Memory of Snow No.61
私は日本の雪国で生まれました。
私にとって、雪は様々な記憶が宿ったモチーフになります。
しかし、私に限らず人間は記憶を蓄積させていくとともに忘れていくこともあります。
記憶は時間の経過とともに忘却の渦にさらされ、明瞭さは消え失せ、抽象性を宿しながらただ私の中に曖昧なイメージとして漂うこととなります。
『雪の記憶』は23年間過ごした雪国の記憶の断片を描いています。
雪の色や冷たさ、温度、しっとりとした時もあればサラサラした時もある手触り、光を反射させる特性。
このように雪は様々な表情を持っています。
また雪とともに想起される街の看板・ネオンの色、人混みや街を走る車、空や山、枯れた木などの自然、地面に巻いた滑り止めの砂、雪解けの汚れた地面、ツルツルと滑らすアイスバーン。
雪やそれと共に想起されるこれらのイメージが混沌と私の中に漂っています。
その全てとは言えないが、いくつかのイメージを想起させることがこの作品の完成を決める着地点となります。
私自身の雪の記憶を絵画作品として落とし込んだのが『雪の記憶』のシリーズです。
作品は裏からキャンバスと同サイズの木製パネルを貼り付けて額装としております。
作品サイズの記載はパネルを貼る前のサイズです。
額装後のサイズについては、
h18㎝×w14㎝×d3㎝
となっております。