アクリルカラー、刺繍糸、キャンバスボード 人間には思い出がある。それらはひとつひとつ心の中にしまわれていく。良いことも悪いこともあるけれど、そのひとつひとつが私という人間の大切な一部であり、その大切なものからできている私もまた、とても大切な存在なのだ。人の人生も同じである。私たちは地球というひとつの建物の中で、部屋を共有し、時には交流しながら生きている。 そこに住む私たち一人ひとりが宝であり、私たちが住む地球もまた宝である。 そして、記憶の集合体である私たち一人ひとりが、地球の歴史の中に残っていくのだ。 キャンバスを切る。 それはネガティブなイメージかもしれない。
しかし、キャンバスを一枚の布として見たとき、手芸では糸を切ったり縫ったりすることは当たり前のこと。 切った場所をそのままにせず、裏側に別の絵を描き足すことで、奥行きのある表現が生まれる。 ※この作品は、ガウディのカサ・ミラ(世界遺産)から着想を得て、2022年12月にスペインのカサ・ミラで映像展示された。