"モシュ(おじいさん)"ヴァシレは、村の子どもたちからも大人たちからもそう呼ばれながら、思い思いに道を歩いていた。見慣れたステッチが、彼をブドウ畑へと導いた。彼はブドウの木のそばにひざまずき、涙が頬を伝った。老人は苦渋の思いでブドウ園に別れを告げた。今年はもう春にここで働くことはない。86歳、チョッパーを持ち上げるのもやっとの手だ。 ブドウ畑の仕事は大変だ。しかし、本物の人間のブドウ栽培への愛は、人生への愛だ」......「ワインはゴクゴクと音を立てて、平皿からグラスに赤い流れをきつく注ぎ込む。ベストマンがお辞儀をして、それを新婦の両親に渡します。二人は黙って飲み、長い時間味わい、アドバイスを求めるように顔を見合わせ、そして微笑む。新郎は心から安心した。彼はこのワインが好きだったのだ」......*モルドバのワイン造りの話 1971年の雑誌『AROUND THE WORLD』より