時が止まり、日常生活の名残で満たされたキューバの寝室の物語に足を踏み入れてみよう。エンリケ・ロッテンベルグとカルロス・オテロによる痛烈な写真シリーズ「Sleeping with...」にインスパイアされたこのミニ絵画は、不在と存在の本質をとらえている。青い壁が、吊るされた衣類、ベッド、椅子、その他の身の回りの品々など、雑然としながらも平凡な光景を静謐な背景としている。 住人がいないことで、舞台が生き生きとし、あらゆる物、装飾品、床、壁に込められた物語や歴史が明らかになる。それぞれの要素が個人的、集団的な経験を語り、この壁の中でかつて暮らしていた生活を想像するよう見る者を誘う。この絵は、平凡な中に見出される美しさと、残された物語を痛切に思い起こさせるものである。