スマホ撮影の写真を素材に、スマホアプリ一本で制作したコラージュ作品。指先一つで創り上げるその色彩豊かな作品を、作家本人は「クソコラ」と呼ぶ。理由は、難解な美術作品ではなく、ただ純粋に閲覧者の心を和ませたいという思いによるもの。元々インターネット上から生まれたそのワードは、著名人の時事ネタ等を取り扱った皮肉混じりの加工画像のことを指すが、それらの本質である「閲覧者を笑わせるもの」と共通していることからそう呼んでいる。創作活動の元を辿れば、友人を笑わせるために画像加工をしたことが原点だからだ。制限の多い編集シーンから、広い大空へ羽ばたかせるその一連の創作過程に作家本人は魅了され、そこから"真の自由"と"希望"を見出している。素材の使い回しをせず、基本的ルールとして「一作品一世界」。それらの世界観を総称した呼び方として「クソコラ万博」を創作テーマに掲げる。今回のザリガニわんわんは、作品制作の同時期にガチャガチャで入手したザリガニのおもちゃを様々なポーズで撮影し、友人の桑原くんの顔面に配置したもの。細部の丁寧な切り抜きやその輪郭に、作家本人の情熱が宿る。