人間のエゴは、自分の予定した計画や願望で世界のすべてを見るようなものだ。魚が寝返りを打つと、人はほとんどいなくなる」では、魚の群れの活動という視点から一日の終わりを描いている。作品には魚の姿はないが、海に浮かぶごく少数の漁船、暗くなる空、浜辺にいる人の少なさから、魚の不在や不活発さが感じられる。砂を掘っている子供だけが、一日の終わりを意識していないように見える。彼女は、おそらくそこにないものを掘り続けている。子供の両親の姿が見えないことで、少し不安な、あるいは不自然な感じがする。彼らは魚のように家に帰り、一日の終わりを子供だけに託したのである。