Fukunaga Yuki

作品制作において、「膜」というテーマを用いて自画像を制作している。この「膜」というテーマについてだが、これは内外を隔てるもの、何かを覆い隠すものとして機能しており、作品では自分を守る殻や他者との接触を遮断するものとして表現している。このテーマは、内面と外面の関係を探求する手段であり、自己と他者の関わ...

作品制作において、「膜」というテーマを用いて自画像を制作している。この「膜」というテーマについてだが、これは内外を隔てるもの、何かを覆い隠すものとして機能しており、作品では自分を守る殻や他者との接触を遮断するものとして表現している。このテーマは、内面と外面の関係を探求する手段であり、自己と他者の関わり方、あるいは社会との距離感を考察するための象徴的な要素だと考えている。また作品全体を通して、この「膜」という概念は一貫したテーマとして展開している。また近年の作品展開では、この「膜」という概念をより多層的に探求している。特に、デジタル時代における新たな「膜」の在り方にも注目している。スマートフォンの画面やSNSのプロフィールなども、現代における一種の「膜」として機能していると考えられる。これらの要素は、物理的な膜とは異なる性質を持ちながらも、やはり内と外を隔てる境界として存在している。また「膜」をテーマに自画像を制作する理由は、「膜」のような一線を感じることを自分が生きている中で経験したことをきっかけに制作しているためである。自画像として制作することで内面の部分を表現でき、より「内と外」について感覚的に表現することができる。そのために自分をモデルにしている。