ロッカクアヤコは、カラフルな色彩に自由な描線で描かれた少女像で注目される現代アーティスト。
オークションでも高額で取引され、アート投資家からも注目を集めています。
この記事では、ロッカクアヤコの経歴や代表作、近年のオークション実績まで網羅的に解説します。
ロッカクアヤコの経歴
ロッカクアヤコは1982年、千葉県生まれの現代アーティストです。
20歳ごろから独学で絵を描き、路上やデザインフェスタでのライブペインティングを中心に活動を開始しました。
活動の転機となったのは、2006年に村上隆が主催したイベント「GEISAI」。
スカウト賞を受賞したロッカクは一躍注目を集め、同年にはスイスのアートバーゼルでKaikaikikiブースに出品しました。
ライブペインティングを実施して100枚以上の作品を販売したことから、国際的な認知度も急上昇。
ART BASELでのライブペインティング, 2006(出典:作家HP)
2013年にはノエビア銀座ギャラリーで奈良美智と二人展を開催し、日本現代アートの重鎮と肩を並べています。
近年は、オランダ・アムステルダムのヤン・ファン・デル・トフト美術館や、日本・千葉県立美術館で大規模な個展を開催し、現代アート界からの評価も定着しました。
現在はベルリンを拠点に制作を続けており、オランダの有力画廊であるデライブギャラリーに所属。
プライマリーでの作品入手が非常に困難な作家です。
Artprice社が発表する2022年世界のアーティスト売上ランキングでは78位を獲得し、国際的に強い存在感を放っています。
ロッカクアヤコの作風
ロッカクアヤコの作品は、カラフルな色彩で描かれた少女像で知られています。
特に髪を一つに結んだ少女は、初期の作品から一貫してロッカク作品に登場するモチーフ。
Untitled, 2020 (出典:作家HP)
また、力強い描線は、絵具を指につけて直接段ボールやキャンバスに描いていく技法から生み出されたものです。
さらに、通行人の姿や不意に聞こえる音といったランダムな要素を取り込みながらモチーフを描くスタイルは、ライブペインティングとの相性がよく、ロッカク作品の高い評価につながりました。
近年は、木版画やアクリルを用いた立体作品など、新しい技法や表現を取り入れた制作も実施しています。
ロッカクアヤコの代表作
『Untitled』:活動初期のシグネチャーモデル
『Untitle』2006. (出典:Mutual Art)
段ボール上に指を用いて描かれた本作は、ロッカクアヤコが初期から確立していた作風が如実に現れたシグネチャーモデルと言ってもいいでしょう。
ロッカクの描くアンバランスな手足と大きな瞳を持つ少女像は、世界のアートコレクターから日本の「かわいい/Kawaii」文化に通じるものと見なされ、高い評価を得ています。
『Magic Hand』:2020年大規模個展での大作
『Magic Hand』2020. (出典:美術手帖)
2020年、千葉県立美術館で開催された「魔法の手 ロッカクアヤコ作品展」のために制作された大作です。
段ボールを継ぎ合わせた巨大な作品で、迫力あるアクリル絵具の筆致が感じられます。
『無題2』:浮世絵技法とのコラボレーション
『無題2』2023. (出典:アダチ版画)
ロッカクアヤコは2020年ごろより、アダチ版画研究所とのコラボで木版画制作にも取り組んでいます。
本作は、浮世絵で使われる技法「三枚続(さんまいつづき)」という、3枚の同サイズの作品を横に並べて1つの大画面を構成する技法が使われています。
ロッカクアヤコの持ち味である独特のタッチが、職人による彫り・摺りの技術で表現されています。
『Print A』:93色のシルクスクリーン版画
『PrintA』2023. (出典:TRiCERA)
本作はロッカク原画のパワフルなカラーを93色ものインクで表現したシルクスクリーン版画です。
限定200部のエディションで、2023/8/29現在はUSD$20,800(JPY ¥3,045,504円相当)で取引されています。
TRiCERA ART Resaleでも販売実績のある作品です。
24時間限定・応募者全員販売のライブペインティング作品
(出典:ArtSticker)
2022年、ロッカクアヤコはロンドンのギャラリー、Avant Arteにてライブペインティングの生中継イベントを実施。
彼女の指がキャンバスに触れた瞬間から、24時間以内に応募したコレクター全員に、完成作品を元にした版画を販売するというユニークな企画でした。
作品価格は500€(当時のレートでJPY ¥71,812)と、手が届きやすい価格帯で多くの人が作品を手に入れられる機会として世界中の注目を集めました。
また、オンラインで実施された本イベントは、コロナ禍における新しいアートの楽しみ方を提示したとも言えるでしょう。
ロッカクアヤコのオークション実績
ロッカクアヤコは1,000件以上のオークション出品実績を持ち、国内はもちろん、海外オークションでも活発に取引されるアーティストです。
ここでは、ロッカク作品の代表的なオークション実績や価格推移をご紹介します。
最高落札額は1億8400万円
現在ロッカク作品の最高額は、2022年7月15日-16日に開催されたSBIアートオークションで出品された
100.0 x 150.0 cmのアクリル画、『Untitled』(2017)に対する1億8400万円です。
『Untitled』, 2017 (出典:MutualArt)
版画作品は約1200万円で落札
木版画やシルクスクリーン作品も数多く出品されています。
版画分野の最高落札額は、2022年1月29日にSBIアート・オークションでリソグラフ作品『Untitled』(2012)に付けられた1207万5000円です。
『Untitled』, 2012, (出典:MutualArt)
リーディングオークションでも落札実績あり
ロッカク作品は、クリスティーズやサザビーズ、フィリップスといったリーディングオークションへの出品実績も170件以上あります。
特に2022年5月26日のクリスティーズ香港では、180 x 140 cmのアクリル画『Untitled』がHKD10,290,000(当時のレートで約1億6,650万円)で落札され、大きな話題となりました。
『Untitled』, 2021, (出典:MutualArt)
落札予想価格・実績価格の推移
(オークションデータより編集部作成)
ロッカクアヤコは2008年ごろからオークションに登場しました。特に2018年以降は最高落札予想額を超えた実績を毎年叩き出しています。
原画の落札実績額の中央値は2021年に約1,487万円をマーク。
版画では、2022年に約226万円です。
2023年は、原画約1,058万円、版画約140万円と、若干低下傾向にあります。
落札実績額の中央値が予想額の範囲内に収まっているものの、今年中のオークション出品も多く予定されており、落札額の推移が注目されます。
今後のオークション出品予定(2023/8/31現在)
2023年9月15日から16日に開催されるSBIアートオークションでは、ロッカクアヤコの木版画作品『Untitled 1』(2020)の出品が予定されています。
本作はアダチ版画研究所とのコラボ作品です。落札予想価格は120~180万円。
『Untitled 1』, 2021, (出典:MutualArt)
TRiCERA ART Resaleサービスのご案内
TRiCERA ARTでは、コレクターの皆様が作品売却・購入を安心して実施できるResaleサービスを展開しております。
ロッカクアヤコの取り扱い実績もございますので、ロッカク作品の購入・売却を希望される方はぜひご覧ください。
作品の売却をご希望される方へ
TRiCERA ARTでは、専門のスタッフが作品価値を審査し、適正な価格での販売・売却手続を実施しております。
価格査定は無料で承っております。
また、完全非公開で取引可能なプライベートセール機能もご利用可能。
売却サービス詳細は、下記ページよりご確認くださいませ。
また、価格査定は公式LINEより承っております。
お友達登録後、「査定依頼」をタップいただければ、専門スタッフより作品名・作家名・サイズ等をヒアリングし、迅速に査定作業を実施いたします。
作品の購入をご希望される方へ
TRiCERAでは、投資価値のある人気作家のリセール作品を出品しております。
ぜひ、下記リンクより現在出品中の作品をご覧ください。
さらに、公式LINEよりお問い合わせいただければ、ご希望の作品が販売された際に優先的にご案内いたします。
お友達登録後、「投資価値のある作家をお探しの方」をタップください。
担当キュレーターより、ご希望の作家・作品をヒアリングさせていただきます。
弊社ギャラリー(六本木/西麻布エリア)での実物確認や、アート投資のご相談も承りますので、是非LINEよりお気軽にご相談ください。