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アート投資の3つのメリットと、3つのデメリットとは?投資家目線で超簡単解説!

2023/04/28
TRiCERA ART TRiCERA ART

昨今話題のアート投資。
投資対象には上場株式、その他の債券など、さまざまな種類のものが存在しています。
その中でも、「オルタナティブ資産」と呼ばれる新しい分野に注目が集まっています。
オルタナティブ資産とは、インフラストラクチャーやプライベート・エクイティ、不動産、森林や絵画なども含まれ、株式や債券と比べると流動性が低いものがこれにあたります。
中でも絵画はここ数年で市場規模が大幅に拡大しており、最も期待のできる一分野と言っても過言ではありません。今回はアート(絵画)投資のメリット・デメリットを誰でもわかるように解説していきます。


アート投資はオルタナティブ資産への投資

オルタナティブ資産を組み込むメリット

通常、投資ポートフォリオの中では、資産全体の5%ほどを目安にオルタナティブ資産を組み入れることが推奨されています。
これには二つの理由があります。
第一にリスク分散のための分散投資の対象として働いていることと、第二にオルタナティブ資産は伝統的資産に比べて流動性が低い一方、その分利回りが高いとされていることが理由です。
投資家にとって、市場の動きの予測不可能性と自分自身の期待値のバランスは、常に想定内に収めておきたい・気を遣わなければならないポイントです。
アート投資をすることで、市場のボラティリティの影響を抑制したい投資家にとってポジティブな要素となり、市場環境が不透明な時においても長期的な投資目標達成に寄与する可能性があります。
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オルタナティブ資産の種類

ヘッジファンド、プライベート・エクイティ、オルタナティブ・クレジット、不動産の他、ビンテージ車や希少価値のあるワイン、そして今回ご紹介する美術品(アート作品)もオルタナティブ資産に含まれています。
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参照


アート投資のメリット

①株式や債券など伝統的な投資対象との相関性が低い

伝統的な金融商品との相関性が低いことで、具体的にいえば株式や債券市場が下落している間でも、アート作品はそれと全く関係なく価値が上がってくれる可能性があるということです。
具体的にいえば、現在、欧米や中華圏のアートマーケットは市場規模を拡大し続けていて、若いコレクターの数も増えてきています。2023年年4月にアート・バーゼルとUBSから発表された大規模市場調査レポートによれば、2022年の世界のアート市場全体は678億USドル(約9兆円超)、前年2021年と比較して3%増加しており、コロナ前のレベルにほぼV字回復しました。

②伝統的な投資対象よりも潜在リターンが高い

絵画の価値の年間平均成長率は8%を上回っており、適切な作品を購入・適切な保管をしていれば、かなりの額を回収することを期待できます。
また、短期でのリターン、インカムゲインが無いという点は明らかにデメリットではありますが、むしろ長期的な値上がりを期待できるというメリットでもあります。この点については、同じ性質をどのように捉えるかの視点の違いと言えるでしょう。

③趣味性を活かすことができつつ、非流動的資産である

まず何よりも、アート作品は眺めていて楽しいものです。どのような作品を購入するかはもちろん自分で判断することになるので、「将来将来値が上がりそうなアーティストである」「今人気のジャンルで活動している作家の作品である」という以外にも、「自分の心に響いた」という点でも購入の決め手になることはよくあります。
実際、トップのアートディーラーたちは、もちろん歴史的価値や同時代的評価を総合的に参照して作品入手や売却の検討をしますが、大前提となっているのはさまざまな知識を備えたその人自身が鑑賞して「ビビッと来たかどうか」というところがあります。
また、また、近年本も出版されて話題になっている「アート思考」も、一つの大きなメリットです。
ビジネスなどの現場では、基本的に「クリティカル・シンキング」と「デザイン思考」の二種類の考える姿勢が必要とされていますが、「アート思考」はそのどちらとも違う三つ目の思考法として盛んに実践されています。
アート思考を一言で言えば、「個の問題点から出発すること」です。
デザイン思考と比較してみましょう。デザイン思考とは、「クライアントに共感し、その潜在的なニーズを探し出して解決する」ものです。相手にとことん寄り添うことで、これまで見えてこなかった需要や新たな解決策を見出すことが目的です。
それに対してアート思考の目的は、「今までにはなかった価値の創造」にあります。
例えば、アート思考の実践者として著名なSoup Stock Tokyo代表の遠山正道氏は、自身もアート制作を行なっていました。その経験を活かして「スープを主食にする生活」という今まで誰も想像しなかったライフスタイルを創造し、2019年には創業20周年を迎えるほどの歴史を刻んでいます。



アート投資のデメリット

売買ができないロックアップ期間が長い

アート作品は、買ってから1ヶ月後に値段が上がっているということはありません。
超人気作家でも少なくとも1年、通常であれば数年〜十数年のロックアップ期間を見込む必要があります。これは、作品を作っているアーティスト側からすると買われた作品がすぐに二次流通市場に出てしまうのは自身の価値が認められているとは思えませんし、作品評価の向上はさまざまなメディアを通じて、またはさまざまな展覧会を通じてアーティストの名声が高まっていくことで達成されるからです。
これには通常ある程度の時間が必要とされます。
持ち分の換金・売却を日次ではできないという点では投資的なリスクはありますが、扱う資産の種類を考えれば妥当なものとも言えるでしょう。

ハイリターンな分、ハイリスクな場合も

アート投資は、適切なアーティストの作品を所有していれば高いリターンが期待できますが、同時にリスクも高いといえます。
そもそもキャッシュポイントが自分が売却するというキャピタルゲインのみになるため、価値が上がるかどうかが実際にわかるまではゲインが得られず、リスクと感じる時間も長くなる傾向にあります。
今大人気のアーティストでも数年後には半値になっているという例も珍しくはありません。
それを避けるためには、定期的に最新の情報収集と価格変動をウォッチしておくことと、美術史や有名なアーティストに対する知識を集めておくことが必要です。
アートの価値は、「今までに見たことないと大多数の人が思うような作品かどうか」という点がかなり大きなポイントです。専門家から見れば既存のスタイルのパッチワークであっても、その見せ方次第で価値を生む作品が生まれる可能性があります。専門家的に分析しながらも、それがどのような受け取られ方をするかというメタ的な視点まで持ち合わせることで効果的な投資対象を見つけられることができるでしょう。


非常にニッチな分野のため諸々のルールや前提知識が必要

アート作品を買う場面においては、アートマーケットの理解が必要になります。
アートマーケットは非常に閉じられた狭い社会でもあるので、例えば「人気作家の新作はすでに様々な作品を購入したことのある太客にしか案内されない」であったり、「同じ作家の作品であってもスタイルが人気なものと異なればつく値が違うことがある」といったことがあります。
ある程度の特殊性は仕方ないとして参入のための知識とマーケットの雰囲気を徐々に知っていくと良いでしょう。
実際にギャラリーにアポイントメントをとってギャラリストと話したり、展示に足を運んで作家などと直接話をする機会を探すなど、対面でコミュニケーションする機会があれば早く雰囲気を掴めると思います。



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現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net