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近年、急速に市場規模を拡大している美術品市場。世界のアートマーケットの中でも中心的な活躍をしている、またこれからするべき見込みのある日本の40歳以下の若手アーティストを紹介する。彼らはすでに人気が高まり価格も高騰しているため、オークションなどのセカンダリーマーケットでの入手が中心になるだろう。
1990年鳥取県生まれ。横浜市在住。2019年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。主な受賞歴に16年CAF賞(審査員特別賞)。主な展覧会に、21年「Here and Now」(Mariane Ibrahim Gallery)、20年「King of limbs」(Kaikai Kiki Gallery)、19年「Rhapsody」(Mayfair Salon)。作品集に『YUKIMASA IDA:Crystallization』(美術出版社)。井田幸昌は、すでに国際的に高い評価を集めている画家である。サザビース香港が2021年に、台湾の歌手でアートコレクターのジェイ・チョウと共催したオークション「JAY CHOU x SOTHEBY'S」には、目玉の一つとして作品が出品された。最高予想価格を大きく超えて落札され、話題になった。一貫したテーマは「一期一会」。代表作は、家族や友人またバスキアやアンディ・ウォーホルら著名人をモチーフに描いた「Portrait」シリーズ、自身の心象風景や身近な無名の人々を出会ったその日に描く「End of today」シリーズなど。あくまで「中心は画家である自分」としつつも、近年は画家ならではの発想を生かして、ブロンズ像などの立体作品や版画も制作している。2021年は、ディオールとコラボレーションしたことや、前澤友作が国際宇宙ステーション(ISS)に井田の作品を持ち込んだことがニュースになり、様々なシーンから注目を集めた。
1984年長野県生まれ。女子美術大学短期大学部卒業。現在、同大学特別招聘教授、東京藝術大学非常勤講師。女子美術大学短期大学部在学中に銅版画作品『四十九日』が賞賛されプロへの道を切り開く。銅版画からスタートし、近年ではアクリル画、有田焼などに制作領域を拡大。小松の制作スタイルは、パフォーマンス性に秀で、力強い表現力が特徴である。ライブペインティングを積極的に行いながら、神獣をテーマとした作品を発表。2022年7月に行われたライブペインティングでは、トランス状態とも言える混沌とした状況の中、数十分にわたる絵画制作を敢行した。
1992 東京都生まれ2016 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業2017 ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校第2期卒業近年の主な個展2020「OFF THE SIDELINE」EUKARYOTE 東京「んがんたんぱ」銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM 東京2019「わたしたちの防犯グッズ」銀座 蔦屋書店GINZA アートウォール 東京2018「LOVE NOW」 (EUKARYOTE / Tokyo)磯村暖は、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど多彩な手法で表現を行ってきた。その中でも自身のバックグラウンドや身近な人達と繋がる社会問題を反映させた作品たちが注目される。象徴的なのは、いくつかの作品に見られる地獄や亡者などのモチーフだ。悪しき者が落ちる場所である地獄を、ときにユーモラスにときに皮肉交じりに表現し、画一的に「悪」のレッテルを貼りがちな現実社会への批判を込める。タイのワットパイロンウア寺院や、2017年当時アジアで初めて同性婚を合法化する動きがあった台湾での滞在制作、またニューヨークで触れたクィア文化も、社会課題への関心を深めさせた。21年からは美術作家の海野林太郎とインスタレーション作品《Agitators’ Dreams or Floating Signages》を共同で制作するなど、新たな制作手法や表現にも挑戦する。
東京藝術大学大学院美術研究科在学中の友沢こたおは、スライム状の物質に覆われたセルフ・ポートレートや人形を写実的に描いた油彩画で知られる。学部在学中より久米圭一郎賞や上野芸友賞を受賞し、コレクターから熱い視線を浴びている。今、若手アーティストの中で最も作品購入が困難とも言われる、大人気のアーティストである。今後の動向が見逃せない。
福岡を拠点とするアーティスト。大学時代に日本画を学び、在学中から発表を続けている。2010年頃から、クールな表情の女性を描く現在のスタイルを確立。国内外で注目を集めている。
著者
TRiCERA ART
現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net
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