このシリーズでは、日本の若手で今注目すべき活躍をしているアーティストを紹介していきます。
第二回目は、沼田侑香です。
沼田侑香とは?経歴と作品
1993年千葉県生まれ。2019~2020年ウィーン美術アカデミーに
留学(石橋財団奨学生)。2022年東京芸術大学大学院修了。
2022年 ブレイク前夜展 PART Ⅱ、2023年 POLA ANNEX、TERRADA Art Complex Ⅱほか。
2023年 Jordan Brand 日本初の旗艦店 World of Flight Tokyo Shibuyaにて作品を展示。
アナログからデジタルへの過渡期を生きた年代だからこそ感じるそれぞれの違和感を捉え、アイロンビーズというドット感がある立体の手法を用いて、見え方を再構築する。デジタルが浸透するなかで、それでも残る不変のアナログは何かを問い、表現する。
アーティストページ
Computer drawing ”TABEKKO DOUBUTU”
W 26.00cm x H 31.50cm|¥153,700
JPEG Drawing “Les Sciences”
W 44.50cm x H 38.50cm|¥228,800
沼田侑香の魅力
高校生の頃に持っていたauのガラケー”MEDIA SKIN”がかっこいいと感じたことをきっかけに、デザインやアートに触れ始める。
そういったものを自分も作りたいと思いながら、美大の予備校では自分の向いている方向性を模索し、油絵という表現手段を始めた。
大学で様々なメディウムを試す中で出会ったのが、アイロンビーズだった。
現在、ビーズを使用した作品を制作し始めて7年が経ち、かなり自分のものになっているという感覚があるという。
参考画像:MEDIA SKIN (au)
上記のような経緯でアイロンビーズを使うという唯一無二のスタイルを発見した沼田だが、その作品が表現するコンセプトもまた現代社会に生きる我々と切り離しがたく結びついている。
アイロンビーズによる色彩の粒々は、まるで解像度の低いデジタル画像のようだ。
その類似性に気づいた沼田は、「デジタルとアナログの混在」というコンセプトに至った。
ドット感がありつつも、2Dでも3Dでもない。そのようなビーズの二面性、もしくは両極性が、そのままコンセプトに繋がっている。
このコンセプトは、デジタルの情報やデバイスが身近にありながら、ゲームのバグであったり、アナログな会話でもズレが生じたりといった「誤動作」や「グリッチ(Glitch)」と呼ばれる現象に親和性がある。
このような現代に特有の性質をビーズを通して形にすることで、鑑賞者の我々にも共感できるような身近な制作となっている。
マーケットでの評価
2022年、東京藝大での修了制作は話題を呼んだ。
デビュー時から号単価は上げておらず、着実なキャリアを形成しつつある。
ビーズで制作する作品の都合上、通常のキャンバス作品のような大きさによる画一的な価格付けは存在しないが、今後さらに評価が高まり価格も上昇するであろう注目の作家である。
沼田侑香のアーティスト観
彼女は、Sarah Sze、ジェフ・クーンズ、Katja Novitskova、Isa Genzkenなどのアーティストたちから影響を受けている。
参考:Sarah Szeの作品
参考:ジェフ・クーンズの作品
参考:Katja Novitskovaの作品
参考:Isa Genzkenの作品
彼らの作品は、まさに沼田が焦点を当てている「デジタルとアナログの世界のはざま」であったり(Sarah Sze)、現実と非現実の不穏なコラージュ(Katja Novitskova)である。
また、沼田が最初にアートに興味を持ったきっかけであるauの「MEDIA SKIN」はニューヨーク近代美術館(MoMA)に所蔵されており、最終的には自身もまたそれに続くアーティストを目指している。
アーティストインスタグラム
アーティストTwitter
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