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ラッセンの魅力とは？マリンアートで有名な画家を解説

2023/03/31 TRiCERA ART

クリスチャン・ラッセンは、海やイルカなど、自然や生き物の姿を描く画家として広く知られています。日本ではバブル期に流行し、現在でも親しみやすい画風で、幅広い層に人気です。
今回は、そんなラッセンの作品や人物像を解説していきます。

クリスチャン・ラッセンとは？

80年代にマリンアートで有名になったラッセン

ラッセンは、主に海や海洋生物を描くマリンアート画家として知られています。
1980年代中頃に、イルカや海の中の生物の生き様を幻想的で美しいスタイルで描写した絵画で人気になりました。

ラッセンはハワイに生まれ育ち、ハワイの大自然と美しい風景が彼の作風に大きく影響していると言われています。幼い頃から海や自然に慣れ親しんだことが、色彩に対する豊かな感性を養いました。

また彼はプロのサーファーでもあります。その感性を如何なく発揮し、肌で感じた自然の偉大さや、生き物の自由な姿などを描写しているのが、ラッセンのマリンアート作品の特徴です。

また、全体的にきらびやかで、幻想的な雰囲気を感じるのも大きな魅力の一つでしょう。

日本では爆発的な人気

日本ではその頃バブル末期を迎えており、庶民でもアート作品に手が届きやすいということで、それまでアートには関心のなかった中間層に大人気を博しました。
ラッセン作品の価格は高騰し、全国各地のデパートで大規模な販売会が開催されます。

ディズニーとのコラボも

勢いに乗ったラッセンは、世界的エンターテインメント会社のディズニーとのコラボレーションに漕ぎ着けます。
ポスターやジグソーパズルなども多数制作され、大きな話題を呼びました。
世界的なファンを持つディズニーとコラボしたことで、さらに人気に火がつきました。

環境活動家としての一面

ラッセンは、画家としての活動の他、環境保護活動家としての活動にも力を入れており、近年の自然破壊や環境問題についても高い関心を持っています。

主な活動としては、環境保護団体の設立や、自身を主演とした環境問題について呼びかける映画の制作などがあります。

また、日本で原油流出事故が起こった時は、寄付を行うなど、作品の収益の一部を利用して支援することもありました。

ラッセンの作品紹介

専門的な知識がなくても伝わりやすい魅力

ラッセンの絵画は、西洋美術や日本美術への深い造詣がなくても、一目で「綺麗だ」とわかります。
アートの世界では、20世紀から現在まで、一目でわかる見た目の美しさを無視したものが多くなっています。これは、マルセル・デュシャンなどを中心として「目で見て楽しむ芸術」から「頭で考えて楽しむ芸術」への転換が行われたことによります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください → 現代アートを知るためのキーパーソン10人
ラッセンの作品は、いわゆる「現代アート」の文脈で見る必要がないという点が魅力です。

サーファー経験をもとにした緻密な自然描写

ラッセンの絵画は、アメリカのスーパーリアリズムを彷彿とさせるような緻密な描写が特徴です。
サーファーとして、ハワイ生まれとして常に自然と共に生きてきたラッセンは、絵の具を筆で重ねた緻密なタッチや、シルクスクリーンという版画技法の一種を使うなど、複数の技法を組み合わせて絵を描いています。

インテリアとして飾りやすい

ラッセンの作品は華麗な魅力を持っているため、例えば来客の際に一番に目につく玄関や、応接室などの華を添えたいインテリアに最適です。
輝くような彼の表現は、インテリアに光をもたらすでしょう。

①エンシャントミステリー

くじらの尾によって生まれた細かい波飛沫、表面のクレーターまで見えそうながらも幻想的な光を放つ月の様子が魅力的な作品です。
夜の落ち着いた雰囲気と、右奥に息づく微かな人間の呼吸などにも癒されます。
ブルーと微かなピンクを基調とした色彩も、寝室の落ち着いた雰囲気によくマッチするでしょう。

②シークレット・パース

球体の中に描かれた宇宙を背景に、大きく虎が描かれた作品です。
ラッセンは、イルカや海の生き物の絵画で有名ですが、他にもこの作品のように虎や人間など、陸に住んでいる生物もモチーフにしていることもあります。
陸の生物を描く場合でも、虎は波の立たない静かな水の中から頭を出しています。
サーファーとしての顔も持つラッセンが本当に描きたかった現象は、実は「水」なのかもしれません。